臨床心理士の未来ー心理職の資格を、心理の職域を育ててください
ちょっと古いyahoo知恵袋コンテンツですが、友人の佐藤理子さんがfacebookでシェアしてくれました。古くて、新しい問題です。
このコンテンツに刺激されてfacebookで友人心理職向けに書いた記事ですが、少しでも問題提起になればと思い転載します。
「俺たち医者は毛細血管から末端神経まで頭に叩き込んで仕事してんだ。お前ら心理屋は心の何を知って心理屋を名乗ってるんだ?」
私が最初にお世話になった池袋のクリニックで院長にこう言われました。
その院長は東大心理学修士取得後に慶大医学部に入りなおした元大学助教授です。
心理学を知っているだけに、重みのある言葉です。
当時の日本で流行っていたPsychodynamics、または世界で台頭しつつあったSocial Cognitive psychology を武器に反論しようと思いましたがやめました。
笑われる…と直感的に思ったからです。
医学にはど素人ですが、医学を実学に育てようとしてきた多くの医学者の千年単位の積み重ねを素人なりに知っているからです。
心理学も、臨床心理学も、歴史は浅いですが人の幸せをお手伝いする実績はあげています。そして、全国の心理職は国民の幸せのために日々全力になっています。
ですが、医学の積み重ねに比べれば歴史が浅いことは事実です。次元が違い過ぎて反論できないことは、低能な私でも理解できました。
その日から「心の仕組みを知っています。」とその院長に言い返せる日が来るように全力で心理臨床と心理学研究をやっています。
もちろん、私が生きている間はそんな日が来ないことは分かっています。
ですが、心理屋なのですから心の仕組みを知るべきです。
知る努力をするべきです。
誰かの不確かな思想に頼るのではなく、「医師が毛細血管から末端神経まで知っている」に匹敵する確実なレベルで知ることを求めるべきです。
これを求めるのは少数派のようですが、私は少数派として活動しています。
新しいことをすると誤解を受けます。敵も増えます。
ですが、社会的には海千山千の心理屋が信用と信頼を応えるには、細部まで努力を重ねなければなりません。
そう、臨床心理士資格も、次に来るかもしれない資格も、有資格者一人一人が育てるものなのです。
資格に食わせてほしい若手の声を聴くと残念です。
古来、農耕民族である日本人は生活の糧を自分で育てて来ました。
育てるのは嫌だ、収穫だけいただきたい…。
全力で生き抜いて私たちに命をつないでくれたご先祖は、こんな声を聴いたら嘆くのではないでしょうか。
資格に甘えたい方は、どうぞ心理職を卑下して他の仕事に就いてください。
私は法律で守られた半独占業務がある資格をおススメしています。
私は人生を心理学に投資しました。
私の夢は、数世代後には心理臨床サービスがリスペクトされる時代が来ることです。
夢がかなっても、私自身には投資のリターンがないことは覚悟しています。
ですが、心理の業界が私の大きな家族です。
血縁の小さな家族には申し訳ない限りですが、大きな家族が大きく育つことを夢見ながら逝きたいです。
そう信じられるくらいの仕事は、生きている間にしたいと思います。
雑誌、月刊サイゾー9月号 「賢人?」として「マツコ・デラックス解体珍書」で解説しました。
久々のブログ更新になりましたが、みなさま暑い夏もひと段落してきたかと思います。
その間、私はyahooニュースの解説記事をたくさん書きました。
ご依頼いただけるのは光栄なので、できる限りお受けするようにしています。
さて、突然のお知らせですが、雑誌・月刊サイゾーの特集「マツコ・デラックス解体珍書」で「賢人(?)」としてマツコ人気を心理学と社会学から解説しました。
下はkindleで無料公開されている目次をキャプチャーしたものです。70ページからの「株価とマツコ」のテーマで解説しています。
私と気鋭の投資アドバイザーとのコラボ解説になっています。心理学・社会学から分析したマツコ人気と投資家の視点か考察したマツコ人気の結論が同じ…という点が個人的には面白かったです。
以前から思っていますが、心理学と社会学・経済学を使いこなせれば最強の世渡り術になるのではないかと思いますが、その可能性をさらに実感した次第です。
ちなみにこの企画はマツコ・デラックスの持つ母性と父性を解説したmocosukuさまの次の記事がきっかけになりました。
mocosukuさま、サイゾー編集部岩崎さま、同じくライターの古澤さま、ご縁をいただきましたことに深く感謝いたします。
ちなみにサイゾー9月号の表紙(kindle無料公開のキャプチャー)はこちらです。私も買いました。
本当はマツコを通して10年後、20年後の社会を読み解くこともできるのですが、その話はまた別のエントリーでご紹介させてください。
みなさん、月刊サイゾー9月号、どうぞご覧ください!!
いいカウンセラーの見分け方
「いい精神科医を紹介して下さい」
「いいカウンセラーを紹介して下さい」
大学で臨床心理学の教員をやっていると,よく頼まれることの一つです。
講演や授業,または著書で心の病理や健康を語っていると,本当にお困りの方は私自身が力になってくれる…と期待してくださいますよね。
ありがたいことですし,私自身もご期待に応えたい気持ちは満載です。
ですが,立場的な制約もあって,直接的にご支援することは難しいことがあります。
まず,医師ではないので診断や処方はできません。法的な縛りもあって,私たち臨床心理士には精神科医の代わりはできないのです。
また,セラピスト・カウンセラーとして出会っていないので,セラピスト・カウンセラーをやってしまうと2重関係になって十分に機能できないこともあります。
(ただし,2重関係には例外もあります。これは別の機会にご紹介します。)
ただ,本当にお困りの方は,やはり支援が必要です。
その中で,「誰か紹介して下さい。」というご希望になるのです。
基本的に,精神科医もカウンセラーも相性が重要なので,どのような方が合うのかよくわからない間はご紹介は控えることにしています。
その代わり,あなたにとって「いい精神科医,または,カウンセラー」を見分ける方法をお知らせして,良い方を探すお手伝いをさせてもらいます。
見分ける方法のポイントは一つです。
あなたに一生懸命になってくれるかどうかです。
もっというと,あなたが必要としていることを,あなたの立場に立って,全力で理解してくれるかどうかです。
「なんだ,あたり前じゃないか」
と言われそうですが,当たり前のことを当たり前にやるのが意外と難しいのが心を扱う仕事なんです。
たとえば,あなたが親類との人間関係に悩んでいるとします。そして,あなたは子供の頃からその親類をいい人だと信じて,それなりに楽しい思い出も積み重ねてきました。その人との関係に時間も,労力も,交際費も費やしました。
しかし,その親類がモラルハザードと思えるようなことをしています。客観的に見たら離れたほうがいい状況です。
いいカウンセラーならどう対応するでしょうか。
「早く離れないと,もっと大変なことになりますよ」
と助言をするのでしょうか。
いいえ,違います。
いいカウンセラーは,親戚に悩まされる困惑と離れがたい気持ちの葛藤に目を向けます。そして,あなたの葛藤をそっと救い上げてくれます。
第3者から見たら「離れるが吉」であっても,当事者にとってはシンプルにそうは思えません。これまで費やした人生も,子ども時代の思い出もダメにしたくないので,苦しんでいるのです。
その苦しみを無視して「離れなさい」というカウンセラーは良いカウンセラーではありません。
あなたの立場なら何が苦しいのか…そっと理解して,その苦しみをともに分かち合ってくれるのがいいカウンセラーです。
お困りのあなた,支援を必要としているあなた,あなたがそういうカウンセラーに出会えることを心から願っています。
5-httplrSS型と負の強化:マクドナルドの業績不振に学ぶ,日本人の不安遺伝子とビジネスモデル
yahooニュースさまに以下の記事を執筆させてもらいました。
要約すると、日本人の多くは不安遺伝子を持っているので、「食の安全」を積極的に売らない経営戦略は今の日本には合わない…というものです。
まるで、この記事を裏付けるかのように、日本の若者がマクドナルドを避ける傾向が著しくなったことを示すデータも報道されました。
yahooニュースでは詳しく書きませんでしたが,ここでは不安遺伝子の詳細をご紹介しましょう。
5-httplr遺伝子というものがあります。この遺伝子はセロトニンという物質の代謝に影響しています。セロトニンの代謝は私たちの感情に影響しています。詳しく書くとややこしいですが,まあ,セロトニンが豊富だと感情はポジティブに,乏しいとネガティブになると思ってもらえればOKです。
そして,5-httpr遺伝子はLL型,LS型,SS型という3つの多型があります。
より正確にはL遺伝子にさらに多型があるので,20以上の多型になるわけですが,まあ,概ね3つと考えていただければOKです。
日本人の6割から7割はSS型を持つわけですが,SS型はセロトニンが乏しくなりやすいのです。
つまり,日本人の多くは不安になりやすく,不安を避ける事が行動原理になるのです。
不安が小さくなる行いを繰り返すようになることを心理学では「負の強化」と呼びます。
マクドナルドは「食の安全」を積極的に売ろうとしないので,いつまでも不安が払拭されません。異物混入などへの対応も,一部では「開き直り」とも揶揄されるような弁明では,「この人達が提供するものは安全だ!」と思わせてくれません。
日本人の多くに「マクドナルド=食の不安」というイメージが着いてしまったので,「マクドナルドを避ける=不安を避ける=安心」という負の強化が生じているように思われます。
商売をするなら,消費者を理解することは基本中の基本です。
マクドナルドのビジネスモデルは確かに一時代を築きました。
熱心なファンも獲得しました。
しかし,時代は変わりました。
テレビでもwebでも,過去のビジネスモデルに基づいたマクドナルドの広告を見るたびに虚しくなります。
もう終わったビジネスモデルに固執するのではなく,消費者を見ていれば再建も出来たはずなのに…と残念に思います。
瞬説!アドラー心理学2:トンデモ新入社員とのウマイつきあい方
思想家アドラーの唱えた人生哲学がアドラー心理学です。科学者ではないアドラーの思想は部分的には科学的な間違いもあります。
ですが、成功する秘訣に満ちた、まさに成功者の哲学ともいえるものです。特に日本の「お互い様」「おかげさま」を表した「共同体感覚」は上司と部下の人間関係を考える手がかりにも使われています。
ところで、各企業さまはでは新入社員を迎え入れたことでしょう。
厳密な選別を繰り返て採用した新卒のみなさんへの期待は察して余りあります。ですが、期待通りにいかないのが人というもの…「予想外」の言動に驚くことはないでしょうか。
よく聞くのが本人たちが敬語のつもりで使っている「タメ語まがい」の問題です。指示を受けた時の「了解です」、先輩上司への「お疲れ様です」、「はい!」という場での「うん」…。
これらは言葉だけの問題ではなく、
「敬意があるのか!」
と怒りたくなる方も少なくないようです。
この他にも、仕事へのやる気、責任感…学生気分が抜けているのかどうか疑わしくなって説教の一つもしたくなる方が多いようです。
アドラーが生きていたら、このように悩む上司や先輩のみなさんにどのように助言したでしょうか。
今日は一瞬で解説する名づけて瞬説で、「トンデモ新入社員」の「予想外」との向き合い方を考えてみましょう。
ポイントは「お互い様の意識」→「自分が変わる勇気」→「嫌われる勇気」のプロセスを繰り返すことです。
まずはは「お互い様」の意識を
さて、誰でも最初は新人時代がありました。あなたも、私も、あの人も、みんな最初は新人でした。右も左も分からない…。
新人の最大の問題は、
「何ができていないのかわからない」
「できていないことに気づけない」
ではないでしょうか。
「できていない」ことはストレートに教えたくなるものなのですが、ここでお互い様の発想をもちましょう。
新人にはベテランや経験者の視点を持つことはできませんが、ベテランも新人の視点を持てないものです。新人に会社がどう見えているか、あなた自身が新人にはどう見えているか、100%理解できているといえるでしょうか。
立場の違いだけでなく、育ってきた時代も違う、背景も違う…お互いにわからない。あなたにも新人がわからないのですから,新人にも会社のこと,仕事のことがわからなくて当然なのです。ここで腹を立ててはいけません。
次に自分が変わる勇気を
「新人を見ているともどかしい…ストレートにガツンと教えたい!!」
と思うこともあるでしょう。
ですが,ここで説教をしてしまうと,あなたが伝えたいことは伝わらないし,期待と違う結果が出るだけです。ここは「お互い様」の意識で、新人のことを「学ぶ」ように務めましょう。
「学ぶべきは新人だろう!!」と言いたくなるかもしれません。確かにそういう文化の業界や企業もあるでしょうし,それも大事なことです。
ですが、人は自分を大事にする人を大事にするもの。自分を「知ろう」としてくれる人や会社は大事にしようとしてくれるはずです。そこから新人の「学ぶ意欲」を育てるのも試す価値はあるでしょう。
何かを学ぶ勇気も「自分が変わる勇気」なのです。
最後に嫌われる勇気を
あなた自身が「自分が変わる勇気」を持って新人のことを知ろうと務めて大事にしてあげたのに,新人はそれに甘えるばかり…。そんなお悩みもよく耳にします。
ここで大事なことは「嫌われる勇気」です。この世は「お互い様」で成り立っているのですから,あなたが行った努力は,できる範囲内では新人もやるべきなのです。
新人の甘えが目立つときは例えば以下のように伝えてみてはいかがでしょうか。
「自分も十分じゃないけど,あなたに気持よく仕事してもらえるように自分なりに努力はしているつもりなんだ。あなたももう少しこういう努力してもらえると嬉しいんだけど,どうでしょう?」
ここで大事なことは次の言葉を付け足すことです。
「まあ,努力に僕が気づいていないだけかもしれないけど,実際のところどう?」
こうすることで,お互いに何を努力しているのか,または何の努力がたりないのか,相互理解を持つことができるでしょう。
相互理解の中でも「お互い様意識」,「自分が変わる勇気」,「嫌われる勇気」の循環が必要なことは言うまでもありません。
先輩だから,上司だから,という悪い意味での「長幼の序」に縛られずに,お互いに成長できることを目指しましょう。
presented by prof Takashi Sugiyama
よろしければこちらもご覧ください。
瞬説!アドラー心理学:もしA.アドラーが生きていたら入社前に不安な新卒生に何を助言するだろうか?
最近,アドラー心理学が話題になっています。
アドラー心理学は,アドラーは心理学科学者として活動した実績はないので,科学的な心理学ではなく,A.アドラーの思想という言うべきものです。
トラウマ(ネガティブ体験がストレスホルモンの作用で鮮明に「記録・保存」されたもの)の存在を否定するなど,科学的には間違いもあります。
ですが,強烈なトラウマ体験がない人,「些細なトラウマ記憶」の再生に心奪われるため今を生きられない人には,人生教訓となる「より良く生きる秘訣」が満載です。大ヒットした自己啓発書『7つの習慣』のネタ本としても有名です。
ところで入社を目前にした新卒生のみなさん,
「勤務先がブラック企業だったら…」
「上司が怖い人だったら…」
という不安を持っていませんか?
ここでは,入職前に不安な新卒生に,アドラー心理学をもとにして会社との,特に上司とのつきあいかたのヒントをご紹介しましょう。
上司との関係に悩む方にもオススメです。
でははじめます。
上司とはなにか?
部下にとって上司とは心強い存在でもありますが,怖い存在でもあります。
人の大半は無意識的に「同調」と「服従」をするように作られています。そこで,まずは上司に「気に入られよう」と何かと意識するのです。
さらに,上司の権限は絶大で,みなさんの勤務査定もします。自分の昇進や昇格だけでなく,場合によっては今後もここに務められるかに影響する可能性もあります。
どんな人が上司になるのか…新卒生のみなさんは不安なことでしょう。
処方箋は「嫌われる(かもしれない)勇気」
A.アドラーは「勇気」特に「嫌われる(かもしれない)勇気」の重要さを強調します。私たちはより立場的に有利な人の意に沿わないと「嫌われる」と思って,ついつい相手の期待や希望を察してそれに従おうとしています。
期待や希望を確認することすら「相手の気を悪くさせないだろうか」と心配になってコミュニケーションから逃げ腰になることもあります。
しかし,上司と部下の関係は本来は「お互い様」です。
せっかく仕事を覚えた部下が倒れてしまっては,上司だって本当は困るのです。
このような「お互い様」のことをアドラーは「共同体感覚」と呼んでいます。
なので,
「自分は全力で仕事をしていますが,ここからは体力的にも時間的にも厳しいです。」
と伝えることは,上司にとってもプラスである場合もあるのです。
もちろん,上司も安々と仕事を減らすことはないと思います。
「事情はわかるけど,こちらも限界で…」
と無理をお願いしてくるかもしれません。
「これは君のノルマだ」
と強く要求することもあるでしょう。
こちらの希望を理解してもらうためには上司の期待を理解することも必要です。
アドラーは自分自身が変わる勇気も強調します。
仮にアドラーが生きていれば
「自分がどう変われば,どこまで期待に添えるか」
を考えて上司と話し合うことをおススメするでしょう。
話し合いの過程で,あなた自身に
「仕事を必要以上に重く考えていた」
「自分の立場や役割を間違っていた」
といった思い込みが明らかになる場合もあるでしょう。
お互い様なのですから,これが明らかになったら素直に認めて改善を考えましょう。
また,その中で
あなたが全力で取り組んでいる姿勢と
「今のあなたの限界」が伝われば
上司もあなたが倒れないように考えてくれるはずです。
これは,行政指導で定められた管理職の義務でもあるのですが,
ちゃんと話し合ってくれる上司は「お互い様」を理解している本物の上司です。
着いて行ってもいいかもしれません。
勇気を出して相談をお願いすることも大事なことです。
本物のブラック企業にお勤めの場合や経営環境が本当に厳しい場合は必ずしもうまくいかない時もあります。
ですが,「嫌われる(かもしれない)勇気」で改善する事例もあります。限界を感じたら試してみる価値はあるのかもしれません。
話し合いに応じてくれない,
または一方的に
「社会人の心得!!」を説教するような上司は本物の上司ではありません。
そんな時は対策が必要ですが,一緒に考えてくれる窓口はネットや行政サービスを始めたくさんあります。
新卒生のみなさん,不安も希望もいっぱいだと思いますが,みなさんの輝かしい未来を心から応援しています。
presented by prof Takashi Sugiyama
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瞬説!ドラえもんの「しずかちゃん大好き」現象はなぜ起こる?:30秒で理解する自己心理学
ドラえもんのキャラクターですが,
「しずかちゃん」は
ある意味では国民的なヒロインですよね。
「大好き!!…」
という人は男女を問わずに多いようです。
しずかちゃん (1979年~2005年) : あの声優は、あの役と同じ?!そんなアニメキャラをまとめてみた - NAVER まとめ
私の身近でも,そこそこ良識ある人生を送った方のほとんどは良い印象をしずかちゃんに持っています。。
これはなぜでしょうか?
リアルしずかが居たら嫁にしたい人,大親友にしたい人は多いはず。
これはなぜなのでしょうか。
皆さん気になりませんか?
実は人が自分を見るときは直接的に自分を見ることは少ないのです。
私たちは,他人が観ている自分を察知して,自分を観ているのです。
なので,自分にポジティブな反応をしてくれる人と一緒にいると人は心地よく暮らせます。
自己心理学という精神分析の一派を提案したコフートは,ポジティブな反応をしてくれる人を「自己対象」と呼びました。
自己対象が自分をポジティブに見てくれることに支えられて,私たちは前向きに,そして健全に日々を暮らせるのです。
コフートは自己対象の種類をいくつか考えましたが,その中でもっとも大事なものとして「鏡的自己対象」をあげています。
鏡を見る時って,私たちは基本的に自分をポジティブに見ようとします。
まるで,赤ちゃんがママや周りの人に「わぁ~!!いいねえ!!」と褒めて欲しくて自分をアピールするかのように,ポジティブな自分を確認したくて鏡を見ます。
こうして私たちは心のエネルギーを得ています。
でも,心のない鏡を見ているだけではちょっとさみしいものです。
「眠れる森の美女(スリーピングビューティー)」の魔女ではないですが,鏡に心があってほしいのです。
「鏡よ,鏡よ,鏡さん…」っという具合に。
鏡的自己対象の存在が私たちの気持ちを落ち着かせて,安心感と勇気,やる気をもたらしてくれます。
これは私の被受容感(人から大事にされている実感)研究でも証明されています。
「あなた,すてきね!」
「あなたは大丈夫よ。」
「あなたは素晴らしいのよ!!」
と心を支えてくれる存在がいて,私たちは初めて力強く生きられるのです。
さて,しずかちゃんの話に戻りましょう。
鏡的自己対象の姿を小学4-5年生にすると将に「しずかちゃん」です。
のび太くんがどんなにみじめになっても,力強くのび太くんを信じてくれる姿は感動的ですね。
しずかちゃんは…
将に理想的な鏡的自己対象。
身近にいてくれると,誰もが幸せになれる…
そんな,キャラクターなのです。
さて,ここまでで30秒来ちゃいましたね。
もう少し時間のある方は,ここから15秒で幸せになる秘訣を学びましょう。
単に,
「しずかちゃんバンザイ!!」
を学ぶだけでは心理学的にはもったいない!!
実は,現実に鏡的自己対象であり続けるのは心のエネルギーが必要です。
どんな人でも心のエネルギーは有限です。
あなたにとって鏡的自己対象をやってくれている人にも,
鏡的自己対象が必要なのです。
なので,お互いに鏡映的自己対象ができる関係が重要です。
たとえば母の日に子どもから
「ママ,いつもありがと!!」
と,お手紙をもらったママの喜びを想像してみてください。
いつも子どもの鏡的自己対象としてがんばっている訳ですが,
このお手紙で
「もっとがんばろう!!」
と勇気づけられますよね。
そうです,大事なことは,
鏡的自己対象に身近にいてもらうことだけでなく,
相互に鏡になりあえる人間関係です。
これが, お互いの成長を助け,私たちに本当の幸せを感じさせるのです。
ドラえもんの世界観と人生教訓の深さは侮れませんね。
もし,今,あなたにとってのしずかちゃんが居ないなら,
まずは,あなたが誰かのしずかちゃんをやってあげて下さい。
今日一日で誰か一人にでも
「あなた,すてきね!」
「あなたは大丈夫よ。」
「あなたは素晴らしいのよ!!」
というお気持ちを伝えてあげて下さい。
面と向かって…では気恥ずかしい,という方は,SNSを使ってでも構いません。
自分が勇気づけた人がハッピーになる…。
これも,自己対象で私たちが幸せになるコツの一つです。
ぜひ,やってみてください。
presented by Prof, Sugiyama
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