瞬説!【川崎市中一事件】集団心理で説明するニュースへの疑問-再発防止に向けた進化心理学の視点-

平安を願う一人の市民として,そして子どもを見守る一人の大人として,恐ろしくも悲しい事件が川崎市で起こりました。

事件としては急展開があり,今後の行方に日本中が注目しています。

 

私は心理学者としても報道に注目していますが,昨日の某局のニュース番組で事件発生を集団心理で解説していましたが,ちょっと無理があるように感じました。

https://newsoffice.mit.edu/sites/mit.edu.newsoffice/files/styles/news_article_image_top_slideshow/public/images/2014/MITnews_GroupMorality_0.jpg

 

まずは、30秒で集団心理学で説明できない理由を説明します。

集団心理とは周囲の人からの影響で個人の心や行動が影響を受けるメカニズムです。

事件現場に複数人がいたと報道されていますので,集団心理と解釈したくなる気持ちはわかります。

 

ですが,犯罪に結びつく典型的な集団心理とは

「仲間がいることで気が大きくなって(モラルや道徳が)どうでもよくなる」

「仲間に自己顕示したくて大きなことをしたくなる」

「仲間が刺激(事件)を望んでいる空気を察して」

「敵対勢力から仲間を守るために」

というのが多いです。

 

ニュースを見る限り,どれも該当する可能性は低いでしょう。

まず,事件前からモラルや道徳は関係ないと言わんばかりの暴行がありました。

次に,すでに仲間内では絶対的な地位にある人物が自己顕示する必要もありません。

「仲間」は刺激を求めていなかったという報道もあります。

(今後の報道では覆る可能性もありますが)

そして,被害者は仲間を脅かす威力もなく,ニュースによると当時は紛れも無く無力でした。

したがって,仲間を守るための事件でもありません。

 

少年犯罪・私刑・暴力=集団心理という公式でこの事件を紐解いていては事件の真相を見失います。

もう二度とこのような事件を起こさないために,正しく理解する必要があるでしょう。

 

私が提案する理解の鍵は進化心理学

日本ではあまり注目されていませんが,実は犯罪の背景に進化心理学のメカニズムが働いていることは非常に多いのです。

実はストーカー殺人などにもこの心理が働いています。

 

さて、ここからは60秒で進化心理学で理解するべき理由をご紹介します。

 

進化心理学の解説は後にして,まずはニュースを手がかりに経緯の要点を整理します。

 

■容疑者が被害者を暴行した

■被害者の友人たちが容疑者宅に謝罪を求めて押しかけた

(友達に慕われるいいヤツだったんですね…悲しいですね)

■加害者の両親が警察を呼ぶほどの騒ぎになった

(ここで警察が暴行事件の捜査をしていれば…と思うのは私だけではないでしょう)

□加害者が逆恨みした(被害者を「敵」と認知した)

■経過の中で「恨み」を晴らすチャンスが訪れた

□加害者がチャンスを行動に移した

 

ここで事件発生に至る2大ポイントは

「□」が付いている箇所、つまり、

◉「敵」と認知したこと

そして

◉行動に移したこと

の二つです。

 

実は動物(哺乳類)というものは

「恨めしい敵」に対しては

「情け容赦」をなくします。

 

「獲物」として見るようにもなります。

 

さらに、リベンジを避けるために

「敵を滅ぼすためなら、損失も厭わずに攻撃する」

という性質もあります。

 

そして,私たち人も、本当は哺乳類の一種です。

通常は人類として進化した心が動物的な心を抑えこんでいます。

普通の人の普通の状態なら、私たちは人として振る舞えます。

ですが、時として動物的な心開放されてしまうことがあるのです。

 

こうして「敵」に対しては

「死んじゃってもいい」

という心理を抱くのです。

 

なぜ、被害者が敵と認知されたのか、

なぜ、加害者は人類の心が機能しなかったのか

 

このプロセスを理解することが事件の鍵を理解するポイントではないかと思います。

 

特に加害者の心に関しては、これから様々な報道や鑑定がなされると思います。

注意深く見守りたいところですね。

***************************************************

さて、ここからはこの事件を理解するための進化心理学の解説をしましょう。

ちょっと時間がかかりますが、人類の中の「動物的な心」を理解するのに役立つと思います。

 

上記のように哺乳類の多くは進化の過程で
「“敵”の殲滅(せんめつ)最優先!!」

という本能を獲得しています。

 

縄張り争いをする動物は自分自身が重症を負ってでも相手を滅ぼそうとします。

かわいいと言われるプレーリードックは縄張り争いのライバルを生き埋めにするまで攻撃します。隣の家族を襲って皆殺しにすることもあります。

立ち上がるプレーリードッグ

 

縦社会を形成しているミーアキャットのメスは他のメスの子どもをこっそり殺して子どもの「出世」を助けようとします。

 

 

敵を野放しにしておくと,いつやられるかわかりません。

食料が乏しい地域では,敵は自分の食料を食い荒らすかもしれません。

 

なので,

「敵はとりあえず滅ぼせ!」

という本能を獲得して,

心の中ではリスクや損失の回避よりも敵の殲滅が優先されるようになりました。

 

殺人はモラル・道徳としても悪いことですが,加害者自身の損失も大きい行為です。

ですが,この本能に支配されるとモラル・道徳だけでなく,自分自身の損失さえも無視してしまうのです。

 

しかし,私たち人類は進化の果てに滅ぼし合うことの無益さを学びました。

私たちは「敵」と思っても,その存在を許せる心の仕組みを進化の果てに獲得したのです。

これこそが人の脳の機能です。

「心の成熟」と呼ばれる人間性の一つで,この働きで現代の共生社会が実現しています。

 

人の脳は普通は10歳前後でまあまあ機能するようになります。

10歳を超えれば概ね人としての分別がつくというわけです。

ですが,意識していないと十分に働きません。

人によっては意図的に許し脳が働かないようにしていることもあります。

特に「敵」が目の前にいると思っているときは…。

 

この視点で事件を振り返ると…

 

被害者を「敵」と認知したプロセスと,

その事実が放置されたことが直接的な原因に見えるのです。

 

ニュースでは

「もっと早く大人が気づいていれば」

というコメントが多数ありました。

私もこの意見に同意します。

ですが,ニュースで経緯を見る限り,そのチャンスは本当にたくさんありました。

その中で「気づこう」という意思を持っていた大人がいたでしょうか。

人は見るものを選択する生き物です。

この世には意志がなければ「見えない」ことはたくさんあります。

 

多くの大人に「見えなかった」ことは何でしょうか。

それは,心の深層にある「“敵”の殲滅を願う本能」です。

 

進化というものは概ね上書き保存されるものですが(私は「上書き保存の進化」と読んでいます),脳と心に関しては違います。

脳と心の進化はバウムクーヘンのように上塗りなのです。

つまり「上塗り保存の進化」なのです。

表だけを見れば100%「人」に見えます。

ですが,深層には哺乳類として受け継いでいる本能が居るのです。

私にも,あなたにも。

 

人の奥底に「人ではない何か」がいる可能性は見たくないものです。

心理学者の私でも,正直,不愉快です。

ですが,見なければなりません。

人ではない何かがいることを知っているからこそ,「人である」ことを大切にできるのですから。

 

子どもは人としての上塗り部分が未成熟なので,私たちはそれを育ててあげなければいけません。

上塗り部分の薄いところ,破れそうなところ,そこを見ることも子どもに関わるためには必要です。

 

1993年にイギリスで起こった事件も本当に恐ろしく,悲しい事件でした。


英国史上最も残忍な少年犯罪、元少年の仮釈放が決定 - NAVER まとめ

 

今,18歳選挙権,18歳成人制度が議論されています。

これはこれでメリットもあると思いますが,

人は時に「人」として振る舞えない(振る舞わない)可能性を考慮して,人を育てる制度や施策も議論して欲しいと思います。

 

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グズほどなぜか忙しい! (ナガオカ文庫)

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瞬説!ピケティの資本論の誤解と正解を45秒で理解しよう-21世紀の資本論

ピケティ教授の格差論,熱い議論を世界で巻き起こしていますね。

 

今日はピケティ教授の理論を一瞬で理解できる解説、名づけて「瞬説!」でご紹介します。

さらに、教授が見落としている(またはあまり重視していない?)問題点をご紹介して21世紀の私たちの生き方を考えたいと思います。

知的に生きたいあなたは必見です。

 


「ピケティ格差解説」TV番組に出たら、出演者がみんな「所得トップ1%に入る年収」だった | 高橋洋一「ニュースの深層」 | 現代ビジネス [講談社]

 

 さて、ピケティ教授の格差論のポイントを瞬説するなら、話は簡単です。

「資本家の不労所得のほうが、労働者の勤労所得より高いので、資本家はどんどん金持ちになります」

ということです。

 

なぜこうなるかといいますと、社会は資本家が設計しました。

当然ながら、自分たちに富が集まるように作ったわけです。

ピケティ教授はこのことを

資本収益率、すなわち働かなくても資本家に入ってくる収益の伸び率を「r」、

経済成長率、すなわち労働者が働いてもらえるお金の伸び率を「g」、

として

 

「r>g」

 

という不等式で表現し、膨大なデータから証明しました。

資本は相続されるので「r」を享受できる富裕層はどんどん豊かになります。

そして、才能と努力でのし上がれるを謳う「アメリカンドリーム」と、「資本主義は格差縮小に向かう」と謳ったクズネッツの仮説を否定しました。

もちろん、特別な個別事例としては「アメリカンドリーム」は今でもあるでしょう。

ただ全体的なデータとしては、資本を持たざる労働者はのし上がれるどころか、資本家との格差が開く一方なのです。

 

さて、ここまで30秒で読めたでしょうか?

ここまで理解できれば、ピケティ教授の業績の核心は理解したも同然です。

 

さてさて、この理論を理解できたとしても、社会はすでに設計されていて、私たちはその中で暮らしています。

私たち労働者には何ができるのでしょうか。

 

次は15秒でピケティ教授の提案とその問題点をご紹介します。

ピケティ教授は富裕層に高い税金をかけることで、所得再分配を促して格差の縮小を謳います。

社会を壊して作りなおすには革命か戦争しかありません。しかし、多くの血が流れます。

そこで、社会はそのままに格差を是正しようとしたら富裕層への課税ということになるわけですね。

 

ですが、この提案は単に資本家の富を政府に移すだけなんです。

政府が金持ちになって政治家と官僚の権限が強くなるだけなんですよね…。

労働者に再分配と言っても、一律再分配では勤労意欲を削ぐだけです。

資本主義のメリットである労働者の「やる気」の確保が失われます。

 

私は労働者が努力して、富裕層がお金を使いたくなる付加価値の高い労働を作り出したほうが良いと思います。

労働の対価として富が労働者に移行するほうが、政府主導の再分配より健全ではないでしょうか。

言い換えれば、労働者が、自分たちなりに社会を再設計して富が自分たちに回ってくるように努力すればよいのです。

かつて資本家たちがやったみたいに。

普通に使われている言葉で言い換えれば「ビジネスモデル」を作ることです。

たとえば、従業員が自分で付加価値を考えながらコンサルティング営業を行うというキーエンスという企業の事例もあります。


40歳で1662万円、謎多き日本一の高給企業 驚異の高収益、非常識な経営&営業手法 (Business Journal) - Yahoo!ニュース

 

さあ、労働者のみなさん、付加価値の高い労働を考えましょう。

そして、資本家の富をこちらに回していただきましょう。

私は心理学者なので、付加価値の高い心理学をこれからも探して行きたいと思います。

 

おっとっと…すみません!!

ついつい熱くなって15秒を超えてしまいましたね。

ですが、あなたにも、あなたの労働に高い付加価値をつける「ビジネスモデル」が見つかることを願っています。

それでは、あなたの成功を祈って!!

\(^o^)/

 

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グズほどなぜか忙しい! (ナガオカ文庫)

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ふつうに良かった映画:引き裂かれた家族が結ばれる-将軍様の仮面ライダーOOO

今週のお題「ふつうに良かった映画」

寒い季節に楽しみたいものの一つはやはり映画ですよね。

温かい室内で,温かいコーヒーとちょっと甘くてしょっぱいキャラメル味のポップコーン,そして映画で心躍るワクワク感…。

 

外の寒さとのコントラストが私たちをますます魅惑の世界に惹き込みます。

 

さてさて,hatenaブログの今週のお題は「ふつうに良かった映画」です。

「ふつう」に良い映画というものを,心理学的に考えてみますと,条件は一つ,”主人公の「想い」が叶うこと”です。

心理学で言うと「感情」が「昇華(努力が実る)」することとも言えます。

まあ,やるせない思いがあって,その思いを遂げる物語をみることで私たちは満たされて豊かな気持ちになれるんですね。

 

そこで,心理学者杉山はこちらを推します!

 

まさかの仮面ライダーですが,大人も子どもも楽しめる,怪作になっております。 

暴れん坊将軍仮面ライダーの共演でびっくりの映画ですが,俳優さんたちの存在感も,映像のスペクタル感も,そしてお話もなかなかふつうに良い侮れない映画です。

 

http://blog-imgs-35-origin.fc2.com/p/r/e/precurefight/P_Jan21_201153.jpg

 

Family・家族がテーマで松平健様のお子様も喜んだのではないかと思います。

家族はやはり私たちの心の原点。

家族同然の友人やお仲間も大きな家族の一つですが,お互いの絆,思いやり,厚意を感じながら生きている方が孤独を感じながら生きるよりはるかに素晴らしい…そんな「ふつう」のことを実感させてくれる,ふつうに良い映画です。

まあ,「ふつう」って意外と難しいことなので,「ふつう」でいられることって,実は素晴らしいことなんですよね。

 

物語を要約すると,大きなトラブルの中で家族が引き裂かれて,偶然出会った人たちと家族のように助けあって,最後に家族が再び結ばれる…というお話です。

 

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トラブルは,さすがに仮面ライダーものですので超常的な野心に巻き込まれてのものなのですが,家族が引き裂かれるようなトラブルって実は身の回りにいくらでもあります。

金銭問題,家柄云々の問題,親類の問題,そしてお互いの気持の問題…。

この映画では気持ちの問題で心が引き裂かれそうになった母親と子どもが,大きな野心に巻き込まれることで物理的にも引き裂かれます。

http://blog-imgs-49.fc2.com/y/a/c/yachia/GARA.jpg

 

仮面ライダー将軍様の活躍で子どもは母親に変わる大きな家族を得ることになるのですが,最後は仮面ライダーの活躍で再び母親と心が結ばれるのです。

 

出演の俳優さんもみなさん味があって素敵です。

映画のシーンではありませんが,アンクを案じる三浦京介…かっこいいです。

仮面ライダーに存在感で負けてないんのが素晴らしいですね!

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こちらも映画のシーンではありませんが,鴻上会長を演じる宇梶剛士

すごい迫力です!!

http://blog-imgs-15.fc2.com/h/i/n/hinowakka/20110417084041d95.jpg

 

 

二人の怪演を観るだけでも飽きませんね!!

 

さらにこの方も存在感抜群です。元モデルでスタイル抜群の岩永洋昭

http://blogs.c.yimg.jp/res/blog-19-c3/blue_sky_blue_307/folder/1512485/92/65438992/img_1?1328803153

 

やっぱり映画はお話も大事ですが,観ているだけでも飽きない俳優さん演じているほうがいいですね。

 

最後はマツケンサンバ?で踊ればみんな大きなファミリー…めでたしめでたし。

http://blog-imgs-42-origin.fc2.com/b/i/r/birdscramble/120121.jpg

 ちなみにこちらはエンディングテーマなのですが,この曲のPVの主役は三浦京介演じるアンクみたいです。

人ではないけどだんだん人が好きになっていく(色んな意味で)アンクの切なさが表現されているちょっとこころの残るPVでした。

 

ということで,ふつうに良い映画,仮面ライダーOOO将軍様のご紹介でした!!

 

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残念な夫の子育て心理学-夫を残念に感じる3つの理由

 ちょっと気になるタイトルのドラマですね。

一部では話題を集めているようなので,子育て心理学から考えてみました。


残念な夫。 - フジテレビ

 

実は杉山研究室の博士号第一号,浦和大学専任講師の五味美奈子先生の研究テーマは子育て期の夫婦関係でした。

私も一緒に研究をさせてもらいましたが,子育てはもっと手厚く支援が必要なんだと実感しました。

このドラマが関心を呼ぶきっかけになって子育て支援が政策レベルで進むことを願っています。

そこで、政策の応援も込めて子育て期の妻が夫を残念に思う3つの背景を考えてみたいと思います。

 

1.子どものことは妻に任せるべし…という日本人の大誤解

まず,日本全体の風潮としては子育てにおける母親の負担が先進国の中ではずば抜けて軽視されています。

子育ては母親の役割…,もっと言い換えると「母親が一人でできて当たり前の役割」という認識を持つ男性が圧倒的に多いのが日本なんです。

実はこれ,先進国の常識でも、進化心理学という科学的な知見からみても完全に間違った思い込みです。

子どもを産む・育てるには相当な時間、心理的な負担、コストが伴います。コストを負担するのが夫の仕事…と思う日本人男性が多いのですが、コストを負担するだけでは時間的、心理的な負担には全然追い付きません。

母親として存在している時間は、女性は自分という人格の大半を否定される時間になります。

なぜかというと、まず赤ちゃんは自分が生きることで精一杯ですので、母親を一人の人として、一人の女性として気遣うことはできません。その一方で、母親は人との交流が限られているわけです。人は人の中で自分を確認して、自分を生きている安心感を得ることができますが、母親というだけでその機会が限られてしまうのです。

今ではママ友というシステムも普及していますが、ママ友がストレスの温床になることも多いです。安心で、確実な自己確認の機会は夫との交流なのです。

夫には母親主体の、母親が自分を取り戻すためのコミュニケーションを取る義務があります。

このことの時間も、心理的な負担(自分自身の不平不満や欲求をがまんすること)も喜ばれる夫に必要な役割なのです。

 

2.「妻を助けている」と夫が思うほど、妻は「助けられている」と思っていない。

母親には朗報、夫には全く朗報ではないデータですが、夫が妻のために何かしていると思っていることと、妻がしてもらっていると感じることは、統計学的に無相関、つまり無関係でした。

むしろ、部分的には夫がやっていると思うほど、妻はやってもらっていないと感じてしまうというデータもありました。

実際、ご主人への不満が強い奥様のご主人をカウンセリングすると、「妻が望んでいそうなことはだいたいやっていますねえ」とおっしゃるケースが多いです。

このギャップは、多くの場合でご主人の「オレ様」意識から生まれている印象があります。

「オレ様がこんなことまでやってやってるんだから、素晴らしいだろ!!」という意識がどこかにあって、ちょっとした母親への援助を過剰評価しているんですね。

確かに、全くしていないわけではないんのですが、母親が「ありがたい」と感じるレベルには達していないようです。

「やってあげてる」とご主人が思うほど、奥さん(母親)はやってもらってないと思うようです。

 

3.母親には金より手間と気持ちをかけるべし

一連の調査で、ご主人が母親を助けていると思う行動の一つに「(感謝を込めて)贈り物をする」 が浮上しました。しかし、母親が「助けてもらっている」と思う行為には贈り物は出てきませんでした。

一日の大半を赤ちゃんのために捧げて自分自身を生きている実感も保てない母親には、高価なプレゼントはあまり意味が無いようです。

母親への最高のプレゼントは、ご主人が時間と気持ちをかけること…。

自分が自分という一人の人格として、一人の女性として存在していることを確認できることが何よりのプレゼントなのです。

忙しいご主人はついついプレゼントで気持ちを表そうとしてしまいますね…ご主人に言わせると、「楽」なんだそうです。時間や気持ちをかけることが「苦」なのではなくて、何を持って気持ちを表現したらいいかわからない…それを探すのが大変だからだそうです。

そんなご主人には、何をしたらいいのかこのエントリーを読めば答えが見つかったことと思います。

時間とお気持ちをかけて、奥様(母親)に向き合ってあげてください。お話をニコニコしながら、喜んで聴いてあげてください。

10分でも、20分でも、奥様は喜ぶと思いますよ。

 

最後に、日本の企業家や管理職のみなさん、奥さん(母親)の話を聞く時間+αはお仕事の早退を認めてあげてください。

母親の幸せは赤ちゃんの幸せ、赤ちゃんの幸せは将来の国民の幸せ,国民の幸せは日本の幸せです。

幸せはお金ではないことを私たちはバブル期に学習しました。

人の幸せは周り回って自分に還ってきます。

残念な夫を減らすことで,日本を幸せにしましょう!!

 

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贈り物(ギフト)で劇的に心を温める!!贈り物の上手な使い方

1月は逝く,2月は逃げる,3月は去る…

 

年度のラストスパートの3ヶ月は本当にあっという間ですね。

1月ももう終わろうとしています。

 

締め切りのあるお仕事に追われている方も多いのではないでしょうか。

期日を意識すると焦りますね。

焦りは行動のエンジンでもあるので悪いことではないのですが,心を強引に課題に向けてしまいます。

ついつい家族のことが心の中で疎かになって…なんてことはないでしょうか。

 

今日は忙しい人のための家族経営術として,贈り物(ギフト)を上手に使う方法をご紹介しましょう。

http://azukichi.net/img/illustration/box003.jpg

 

前回のエントリーでは「言葉」があなたの分身であることをご紹介しました。

 

正月明け,急に忙しくなって家族が不満顔…家族の幸福感に差をつける、「言葉」使いの魔法 - 心理学研究者/心理療法家 杉山崇教授のブログ

 

実は,「贈り物」もあなたの分身です。

あなたが離れていても,どんなに忙しくしていても,あなたの存在感を大切な人に実感させてくれる…そんな心強い味方が贈り物です。

 

どんなものがいいでしょうか。

出来る限り,家族が日常的に使うものがいいですね。

小学生の男の子ならゲーム機やスポーツで使うアイテムなど,楽しみと連動しているものがいいですね。

ゲームのやり過ぎは…とよく問題にされますが,実はゲームを通して粘ることや正しい手続きを取れば成功できることを学べるのもゲームです。

楽しみながら人生で成功するコツが身につくなら,ゲームも悪くありません。

スポーツの良さは語る必要もないと思いますが,身体を動かしている子どもは自信がつくのでどんどんスポーツを応援してあげましょう。

 

女の子なら手鏡などおしゃれを演出するアイテムなどいかがでしょうか。

「これでもっと可愛くなってね!」

と,親におしゃれを応援してもらえると女の子は嬉しいものです。

 

いただいたアイテムを使うたびに,あなたの存在感が嬉しさや喜びとともに子どもの心に浮かび上がってくることでしょう。

こうすればどんなに外がさむくても,心の中は温かです。

 

夫や妻,両親など大人の家族も,基本的な贈り物の考え方は同じです。

日常的に使ってもらって,あなたを思い出してもらえるようにしましょう。

ちなみに私は離れて暮らしている父にタブレットPCを贈りました。

毎日使ってくれているので,私と父の心の距離はいつでも近くにあります。

 

そして,贈り物をもっと効果的にするコツは,贈り物に物語を持たせることです。

「君にはこれがいいと思って,一生懸命選んだ」

「特別にがんばって手に入れた」

「これを使って,こうしてもらえたら嬉しい」

 

など,あなたの気持ちも伝わる「あなたと家族の物語」を込めて贈りましょう。

 

最後に,物語を作るコツをご紹介します。

家族の存在は,あなたにとっての「人生の贈り物」です。

当たり前過ぎて忘れがちなこともありますが,本当はとても大事なことなのです。

家族という贈り物を大切にする気持ちが物語になると,あなたからの贈り物ももっともっと輝くでしょう。

 

ところで,私にとっては研究や臨床を語り合える仲間も家族と同じくらい大切な存在です。

彼らにも成功という贈り物ができるように,日々全力で生きたいと思います。

 

贈り物(ギフト)でお互いの心を温め合う…そんな毎日を送って下さいね!!

 

 

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女性自身のサイトで聞ける,リアル・『マッサン』のお言葉。苦労した成功者しか語れない人生の真実!!

朝の連ドラ『 マッサン 』

大人気ですね!!

 


NHK連続テレビ小説「マッサン」

 

舞台は北海道に移りますね。

かの地では太陽ワイン・赤球ポートワインならぬアップルワインを作るはず…。

 

 

ちなみにこのアップルワインは酒好きな男性も唸るほどの後味です。

さすがウィスキーの父ですね。

ウィスキーを浴びるように飲んだ後でも美味しくいただける,濃厚なデザートワインです。

ただ,びっくりするほど甘いので,リアル・ マッサン ほどお酒が強くない方は,炭酸で割ると美味しくいただけると思います。

 

ちなみに,私は知人にスパークリングワインで割ってもらいました。

これも贅沢で美味しかったです。

 

さて,本当にウィスキーが好きでウィスキーに良く合う(と勝手に認定しちゃいました)ワインを作るほどのマッサンですが,そのリアルな肉声を女性自身さまのサイト上で聞くことが出来ます。

 

http://jisin.jp/

youtube版はこちら↓


”マッサン”が新成人に贈った62年前の名スピーチ - YouTube

 

私も聴いてみましたが,苦労して成功した人しか語れない人生の真実がさり気なくありました。

 

そのポイントを要約すると

1「あらゆる時間は一瞬しかない」,

2「(有意義に過ごそうとする)心がけで人生は変わる」,

3「心がけで一生涯が幸福か不幸か決まる」

 

です。

 

これは苦労して成功した人なら必ず実感する真実です。

心理学では問題解決療法の研究や社会心理学自己成就予言で証明されていることですが、目的や目標を持つように心がけていると、自然と成功につながる行いが増えるんですよね。

逆に心掛けがないと、成功にはつながらない無為な時間が過ぎてゆきます。

 

つまり,あらゆる時間を大切にする心がけがなければ人生は無為に流れゆき、時間は無情に去ってゆくのです。

 

一瞬でも生涯は無駄には出来ないのです。

そして,その一瞬の積み重ねがいろんな結果になって,あなた的な成功にあなたを導きます。

 

全ては「心がけ」次第なのです。

 

最後に「心がけ」を持つコツをご紹介しましょう。

 

私の問いかけに答えて下さい。

あなたはどのような「成功」が欲しいのでしょうか。

はっきりとイメージできていますか?

それは,あなた自身が心の底から求めているものですか?

心をマインドフォーにして,深いところから沸き上がってくる心の鼓動に耳を傾けてみてください。

あなたが望んでやまない「成功」はなんですか?

 

「成功した私」を常にイメージすることが「心がけ」の究極のコツです。

 

ちなみに,わたしの場合はこうです。

成功には社会的に評価されるものと,誰にも知られないプラーベートな満足感があります。

私はそのどちらも欲しいです。

そして,人生の同僚と共に達成の喜びを分かち合えて,はじめて私にとっては成功と言えます。

 

マッサンにはエリーさんがその一番の同僚だったのでしょうね。

 

ともにわかち合ってくれる「ご同僚」のみなさま,みなさまの存在に今日も感謝です!!

そして、この記事を読んでいるあなたも私の大切な同僚です。

 

 

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成功

心がけ

マインドフルネス

 

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女性ドライバーのみなさま,お待たせしました!!必見,オトコゴコロわしづかみのドライブデート攻略法!

寒さますます厳しいですが,みなさま,いかがお過ごしでしょうか。

寒い時こそ,心温まるイベントがほしいですよね。

 

心温まるイベントといえば,

今も昔もデートに勝るものはありません。

 

ちょっと気になるお相手とのデートは

ドキドキ感あり,

ワクワク感あり,

そして,心がときめいたりして,

寒さなんか感じているヒマがないくらい,

熱いイベントですよね!!

 

ですが,この寒空の中に

「お散歩」とか絶対無理です。

寒すぎて1000年の恋も冷めそう…。

 

やはり効果を発揮するのはドライブデートではないでしょうか。

 

ご好評いただいている日産ドライブトーク講座,

シリーズ第3弾はずばりドライブデート特集!!

 

デートに辿り着くまでの心の距離の埋め方から,

ドライブを単なる車での移動ではない特別なイベントにする方法まで,

今日から使えるスキル満載です。

 

今回は女性ドライバーのためのドライブ人間関係術をご紹介します。

 

女性が誘って、女性が運転 そんなドライブデートもいいじゃない! - こんな時に!ドライブトーク講座 - 日産ドライブナビ

http://drive.nissan.co.jp/DRIVETALK/images/rep_img_14.png

 

 

監修は私・杉山,

プロディースはwebプロディーサーのアチューワークス増田氏,

そして,執筆はナイスすぎるオヤジライター,ロイ渡辺氏です。

 

どうぞ,読んでやって下さい。

女性ドライバーのみなさん,必見ですよ!!

 

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