瞬説!ドラえもんの「しずかちゃん大好き」現象はなぜ起こる?:30秒で理解する自己心理学
ドラえもんのキャラクターですが,
「しずかちゃん」は
ある意味では国民的なヒロインですよね。
「大好き!!…」
という人は男女を問わずに多いようです。
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私の身近でも,そこそこ良識ある人生を送った方のほとんどは良い印象をしずかちゃんに持っています。。
これはなぜでしょうか?
リアルしずかが居たら嫁にしたい人,大親友にしたい人は多いはず。
これはなぜなのでしょうか。
皆さん気になりませんか?
実は人が自分を見るときは直接的に自分を見ることは少ないのです。
私たちは,他人が観ている自分を察知して,自分を観ているのです。
なので,自分にポジティブな反応をしてくれる人と一緒にいると人は心地よく暮らせます。
自己心理学という精神分析の一派を提案したコフートは,ポジティブな反応をしてくれる人を「自己対象」と呼びました。
自己対象が自分をポジティブに見てくれることに支えられて,私たちは前向きに,そして健全に日々を暮らせるのです。
コフートは自己対象の種類をいくつか考えましたが,その中でもっとも大事なものとして「鏡的自己対象」をあげています。
鏡を見る時って,私たちは基本的に自分をポジティブに見ようとします。
まるで,赤ちゃんがママや周りの人に「わぁ~!!いいねえ!!」と褒めて欲しくて自分をアピールするかのように,ポジティブな自分を確認したくて鏡を見ます。
こうして私たちは心のエネルギーを得ています。
でも,心のない鏡を見ているだけではちょっとさみしいものです。
「眠れる森の美女(スリーピングビューティー)」の魔女ではないですが,鏡に心があってほしいのです。
「鏡よ,鏡よ,鏡さん…」っという具合に。
鏡的自己対象の存在が私たちの気持ちを落ち着かせて,安心感と勇気,やる気をもたらしてくれます。
これは私の被受容感(人から大事にされている実感)研究でも証明されています。
「あなた,すてきね!」
「あなたは大丈夫よ。」
「あなたは素晴らしいのよ!!」
と心を支えてくれる存在がいて,私たちは初めて力強く生きられるのです。
さて,しずかちゃんの話に戻りましょう。
鏡的自己対象の姿を小学4-5年生にすると将に「しずかちゃん」です。
のび太くんがどんなにみじめになっても,力強くのび太くんを信じてくれる姿は感動的ですね。
しずかちゃんは…
将に理想的な鏡的自己対象。
身近にいてくれると,誰もが幸せになれる…
そんな,キャラクターなのです。
さて,ここまでで30秒来ちゃいましたね。
もう少し時間のある方は,ここから15秒で幸せになる秘訣を学びましょう。
単に,
「しずかちゃんバンザイ!!」
を学ぶだけでは心理学的にはもったいない!!
実は,現実に鏡的自己対象であり続けるのは心のエネルギーが必要です。
どんな人でも心のエネルギーは有限です。
あなたにとって鏡的自己対象をやってくれている人にも,
鏡的自己対象が必要なのです。
なので,お互いに鏡映的自己対象ができる関係が重要です。
たとえば母の日に子どもから
「ママ,いつもありがと!!」
と,お手紙をもらったママの喜びを想像してみてください。
いつも子どもの鏡的自己対象としてがんばっている訳ですが,
このお手紙で
「もっとがんばろう!!」
と勇気づけられますよね。
そうです,大事なことは,
鏡的自己対象に身近にいてもらうことだけでなく,
相互に鏡になりあえる人間関係です。
これが, お互いの成長を助け,私たちに本当の幸せを感じさせるのです。
ドラえもんの世界観と人生教訓の深さは侮れませんね。
もし,今,あなたにとってのしずかちゃんが居ないなら,
まずは,あなたが誰かのしずかちゃんをやってあげて下さい。
今日一日で誰か一人にでも
「あなた,すてきね!」
「あなたは大丈夫よ。」
「あなたは素晴らしいのよ!!」
というお気持ちを伝えてあげて下さい。
面と向かって…では気恥ずかしい,という方は,SNSを使ってでも構いません。
自分が勇気づけた人がハッピーになる…。
これも,自己対象で私たちが幸せになるコツの一つです。
ぜひ,やってみてください。
presented by Prof, Sugiyama
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