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AO入試を変えないかぎり第2、第3のSTAP細胞問題が起きる。

 

クリスマスが終わると,本格的に受験シーズンですね。

受験生の皆さん,がんばってください!!

一人の大学教員として全力で応援していますよ。

 

 

 

 

ところで,STAP細胞の問題は科学に携わる人にとって目にするたびに嫌な気分になる話でしたが、結局のところ実証することができなかったようです。

STAP現象の検証結果について | 理化学研究所

 

この問題には、科学者も再生医療に夢を持つ人も“リケジョの星”広報戦略に振り回された人たちも、本当に心乱されました。

私もニュースを目にするたびにいら立ちと悲しみが入り混じった気分になりました。研究者の卵である大学院は不安になりますし,研究指導にも配慮が必要でした。私自身の論文もしばらく筆が進みませんでした。

 

ところで、このできごとにタレントの伊集院光さんが「小保方さん、だまされたのでは?」という新説を提案していました。

  


伊集院光が小保方晴子氏のSTAP細胞生成実験について持論を展開 - ライブドアニュース

伊集院さんの仮説は、実験の途中で誰かが光る細胞を混ぜ込んだ…というものです。

証拠と犯人の動機がわからないので仮説としては弱いと思いますが、「小保方さんがだまされた」という視点は無視できないでしょう。

 

では、小保方さんがだまされたとしたら、誰にだまされたのでしょうか。

私は,最初に小保方さんをだました犯人は「AO入試」だと考えています。

 

 

螢雪時代臨時増刊 推薦AO入試合格対策号 2014年 07月号 (旺文社螢雪時代)

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AO入試とは、一言で言うと「学力を問わない入試」です。

一般的には、受験者の「実績」をもとにその人の意欲や人間性、将来性を問う入試と言われています。

この場合の実績とは、受験する大学ごとにさまざまです。

ボランティア活動を評価する大学もあれば、小論文や読書感想文で評価する大学もあります。また、中には教員との複数回の面接が重視される大学もあり、極端なことを言えば、教員がその受験生を気に入るかどうかで合否が決まるという例もあるようです。

つまり、何でもありの入試制度なのです

 

 小保方さんはAO入試早稲田大学に入学したと報道されています。

厳正に審査されて入学したとは思いますが、少なくとも学力は評価されていません。

 

もちろん、「学力=実力・将来性」ではありませんが、その一方で学力とは「ここまでルール通りにがんばりました!!」という「がんばる才能」を示す指標です。

事実、学力を測ることが目的の一般の大学入試では、才能に恵まれただけでは高得点が取れないようになっています。

それは、試験のお作法とルールを学び、努力した人に入学資格を与える仕組みになっているからです。

 

ところが、AO入試は「人とは違うことをやってくれそうな人材」を採用するものなので、お作法を身につけた人なのかどうか、ルール通りにがんばる人なのかどうかを評価しません。

それどころか、ルールを無視するような人が評価されることもあるのです。

 

では、一般入試で入学してきた学生とAO入試で入学してきた学生は、大学入学後に区別されるのでしょうか?

 

多くの人がご存じのように、そのようなことはありません。入学後、両者はまったく区別されないのです。特別な入試で入っても、特別な教育はしない…というわけです。

 

となると、AO入試受験の学生は一般入試受験の学生に比べて足りないところ満載なのに、同じようにいろいろ身につけていると勘違いしちゃいますよね。

特にその気になりやすい性格、都合よく解釈しがちな性格なら、ますます「私は周りのみんなと同じくらい優秀」、「いえ、特別な入試で入ったんだから、特別に優秀」とかんちがいするかもしれません。

 

一般的に人は“ポジティブ幻想”という効果が働いて、実際よりも自分をより良く評価するものです。さらに“自己確証”という機能が働いて、自分のよい評価だけに選択的に注目します。

なので、かんちがいできちゃう環境に身を置くと、そこにいる限り永遠にかんちがいしちゃうのです。

 

AO入試の合格者は最近では慶應義塾大学でも小学生を偽るサイトをつくり、悪い意味で注目されました。

 

【誤解】AO入試は悪?STAP小保方氏・小4なりすまし青木大和氏も利用 - NAVER まとめ

寝たpodを起こす: 山田五郎が語る「『小学生なりすまし』問題にみるAOエリートには現実世界の挫折が必要」

 

 

もちろんAO入試合格者の中には、「きちんとした方」もいます。

一般入試の入学生が世の中を騒がせることもあります。

ですが実績も実力もない高校生をかんちがいさせるリスクを持った入試制度であると言えるでしょう。

 

小保方さんをだましたのは誰か…。

私には、その一つは日本のAO入試なのではないかと思えてしまいます。

実力をかんちがいさせられて、幻想の実力に見合った成果が出せるはずと、お作法も身につけずにがんばってきたのではないでしょうか。

もちろん、ここでいうお作法とはルールや手続きをきちんと守る…ということです。

 

小保方さんをその後もだまし続けてきたものはこの他にもあるのですが,少なくともその最初の犯人はAO入試と言えるでしょう。

見直すべきです。

このままのAO入試を続けていたら、第2、第3のSTAP細胞問題が起こってもおかしくはありません。