【意識を操る二つのシステム】その1、意識とは何なのか?
認知科学や認知神経科学では、最早常識と言ってよいでしょう。
私たちが意識している心の動きはほんのちょびっと。
心全体を考えるとスズメの涙です。
意識できない心の動きを総称して、「無意識」と呼ばれています。
無意識は、少なくとも
1.無意識下の情報処理システム、
2.注意(何に意識を向けさせるか)のコントロールシステム、
そして
3.心のエネルギーシステム(欲求や動機づけ)、
の三つに大きく分けることができます。
今日は
2.注意のコントロールシステム、
つまり意識を操るシステムのお話、その1です。
人の意識に登るものは、私たちが「注意のスポットライト」と呼ぶものが照らしだした「心の劇場」の一部です。
心の劇場には、身の回りの出来事や過去のエピソード、将来の予定に空想まで、まさに無数の演目が上映されています。
試しに、ご自分の呼吸に注目してみてください。
自動的にやっているのでスルーしていますが、息を吸う時、吐き出すとき、それぞれの「感覚」が鼻孔や口ぶりから胸元にかけて「存在」しているでしょう。
スポットライトが当たっていないだけで、本当は無数の演目が上映されているのです。
注意のスポットライトを操るのが目的(実行過程≒意識)です。
つまり、私たちは「目的」に応じたものしか意識に上らせられない…ということなんです。
次回は目的の管理システムについてご紹介します。