【プチ半沢直樹のススメ】倍返し!コロスイッチと恨みのパワーその2

【ダークヒーローは闇から生まれる】

父親の自殺。

ドラマで追加された設定のようですが,
ダークヒーローをより魅力的にする設定ですね。

アメリカンコミックの古典ともいうべきバットマンにつながるヒーロー観です。

バットマンは暴漢に両親を目の前で殺されるという闇からその原点が生まれます。

ドラマ版の半沢も,
銀行による融資の打ち切りという言い換えれば会社殺しで、
父親が自殺に追い込まれます。
自殺に追い込まれる…,半ば殺されたようなものです。

ドラマではダークヒーロー半沢直樹の誕生がこの出来事に由来することを示唆する描写が随所にあるようです。
ネジを大事に持っている…など。

バットマンと違うのは,金融の仕組みというか,掟というか,
合法的な力関係の中で「殺された」わけで,この世のルールの中にいる限り誰がどう見ても殺した相手に責を問えない。

ですが,「父を殺した力と同じ力」を求めるところは半沢とバットマンの共通点です。

バットマンは無秩序で利己的な暴力を上回る秩序と公共性のある暴力を,
半沢は父を自殺に追い込んだ直の原因になった銀行のトップを,
求めるダークヒーローなのです。

ダークヒーローが家庭でほんわかしているのは、なんだか癒やされますね…。

でも、もしかしたら私たちは、みんなダークヒーローなのかもしれません。
あなたが求めているものは、何ですか?
もしかしたら、過去にあなたを傷つけた、あなたを脅かした何かであることはないですか?

半沢直樹は私たちの人生の一面を、爽快に展開してくれるのかもしれません。


【金融不信という闇】

ダークヒーロー半沢は父親が自殺に追い込まれた(合法的に殺された)という闇から生まれたわけですが、この闇について考えてみましょう。

半沢を生んだ闇はに名前をつけるのなら、私は金融不信という名前を付けたいと思います。
私自身は金融に不信感を持っていませんし感謝もしていますが、

私の思いつく限り、この20年に二つほど金融関連のイメージを悪くする出来事がありました。

具体的には平成不況突入期・日本型成果主義の模索期の「貸し剥がし」・「貸し渋り」、2008年のリーマン・ショックで話題になったサブプライムローンを包括した金融商品です。

このような出来事から、社会の発展と私たちの生活を支える金融業のイメージから、短期的な成果や利益を求める抜け目ない金融業のイメージも強くなっていきました。

金融における短期的な成果や利益の追求は、他人の不利益に直接的につながる場合もあるわけです。
資金繰りに困っての倒産や整理解雇、サブプライム・ローンによる損失などがそれです。

もちろん、合法的にルールに則っているわけですが、その影で泣いている人がいるわけなので、金融に闇的なイメージも持つようになりました。

このような闇に、闇と同じ力、いやもっと強い力を持って立ち向かうのが半沢です。
そして、立ち向かう相手は強大な闇パワー…決して弱者に力を振るうことはありません。

自然と応援したくなりますよね。

私たちも、日々、いろんな力に打ちのめされていませんか?
それに慣れすぎてそのことに気づいていないこと、また「お世話になっているところもあるから」と恨むことすら諦めていませんか?

実は「よい恨み」はいろんな力になる「よいもの」なのですが、
私たちはそれを禁じられています。

半沢は「恨みません。ただ、倍返しだ!」という形で、恨みを闇に対抗できる力に換えていますね。
とても爽快です!!

決戦に向けてがんばれー!!半沢直樹